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2016年6月
選挙と労働
弁護士法人愛知総合法律事務所の社会保険労務士の原田聡です。
7月10日(日)は参議院選挙日。いろいろな場所での選挙演説でそれは賑やか??。さて今回は「選挙と労働」がテーマ。
例えば、会社の従業員が、世直しのために選挙に立候補したいだとか、選挙日には予定があるから勤務時間中に期日前投票にいきたいとの申し出があった場合に、会社としては、これをどう考えていけばいいのでしょうか?
労働基準法第7条には、「使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んではならない。但し、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができる。」と規定され、公民権行使の保障がなされています。従業員から勤務時間中に投票にいったり、選挙に出たり、はたまた当選して議員になることに対して、会社は拒否することができません。会社としてできることは、公民権の保障が守られた上で、従業員からの申し出の時刻を変更できるまでです。それでは、従業員が勤務時間中に投票にいった場合、その時間についても会社は賃金を支払う必要があるのかどうか。
労働基準法では、ノーワーク・ノーペイの原則により、働いていない以上は賃金を支払う必要はありませんが、実際には、会社の就業規則の内容によります。就業規則によっては、たとえ賃金を支払ったとしても問題ありません。
また「公民権の保障」ですが、選挙権はもちろん公民権に含まれますが、個人的な民事訴訟は公民権に含まれるのかどうか。この個人的な訴権の行使は公民権には含まれません。また他の立候補者のための選挙運動も公民権には含まれません。
参議院選挙までまもなく。この大事な一票、投票するまで大事にしていかないといけないですね。
ブログ執筆者:社会保険労務士 原田聡
2016年06月27日
ブラック求人
弁護士法人愛知総合法律事務所丸の内本部事務所所属の社会保険労務士の原田です。今回は、ブラック求人にブラック企業について。ここ最近目立っているのが「ブラック求人」なるもの。就職活動で説明された労働条件と実際の労働条件とがまるで違い、ほとんど「求人詐欺」ともいえるもの。ありがちな例をあげると、「月額20万円」との労働条件。労働者側としては、基本給20万円の上、残業をすればこの20万円に上乗せして残業代が支払われると理解していたところ、実際には、月額20万円の中に、固定残業代が含まれていて、どんだけ残業しても給料は20万円で労働時間に見合わない。労働基準法では、「労働契約を結ぶに当たっては、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」と規定され、賃金は当然ながら明示が必要な労働条件で、明示方法も必ず書面、つまりは雇用契約書の交付が必要なもの。労働条件の明示については、正社員だけでなく、アルバイトやパート労働であっても必要。労働条件をめぐるトラブルは、この雇用契約書がないことが一因で、雇用契約書を出さないような企業は、ブラック?と疑ってしまっていいかもしれません。企業側としては、アルバイト等を含めた全ての労働者に対して雇用契約書を交付し、雇用契約書どおりに、適正に労務管理をしていき、あそこはブラックと後ろ指を指されないようにしていきたいものですね。
ブログ執筆者:社会保険労務士 原田聡
2016年06月08日
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