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2018年5月
副業と社会保険・雇用保険
土曜日・日曜日は近所でアルバイト。今日は、弁護士法人愛知総合法律事務所の社会保険労務士の原田聡です。
推進される働き方改革によって、減少した残業代の補填として、会社の休日の日にアルバイトをする人が増えてきているとか。従来であれば、就業規則で副業を禁止していたところ、最近では副業を解禁している会社も。
さて、今回は「副業と社会保険・雇用保険」について。
まず、健康保険や厚生年金等の社会保険への加入ですが、社会保険の適用事業所に常時使用される労働者は、社会保険への加入義務があります。
常時使用されるとは、正社員だけでなく、アルバイトやパートの方であっても、1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が一般社員の4分の3以上であれば社会保険の被保険者として加入することになります。
これは、本業で社会保険に加入しているから副業の方の社会保険の加入は不要というわけではなく、本業の事業所、副業の事業所のそれぞれにおいて社会保険の加入条件に該当すればそれぞれで加入ということになります。それぞれで加入といっても、社会保険加入のときに、「健康保険・厚生年金保険被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を提出する手続きをするので、健康保険証は一つです。
社会保険料の負担額も、本業と副業先のそれぞれの報酬月額の合算額で決定した標準報酬月額に基づき、それを各事業所の報酬月額の比率で按分して決められます。
社会保険料の負担額も、本業と副業先のそれぞれの報酬月額の合算額で決定した標準報酬月額に基づき、それを各事業所の報酬月額の比率で按分して決められます。
次に雇用保険についてです。
雇用保険は、31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者であって、1週間の所定労働時間が20時間以上の労働者であれば、正社員だけでなく、アルバイトやパートであっても加入をすることになります。雇用保険は、社会保険と違って、主たる生計を維持する会社のほうで加入することになり、本業先と副業先同時に加入することはできません。
そうするとこんなことも。
アルバイト先で雇用保険に加入しているAさん、収入を安定させてようとB社に正社員として働くことに。ここでAさんは、B社に内緒で、副業としてアルバイトはそのまま続けることを決めました。さて、Aさんがアルバイトをしていることを知らないB社は、Aさんの雇用保険の資格取得の手続きを取ろうとしたが、資格取得ができない。理由は、雇用保険は2つの会社を同時に加入することができないから。そのことでAさんは入社早々、B社に副業をしていることがバレてしまう事態に・・・
副業をめぐっては、法定労働時間を超えた分の残業代は本業先と副業先のどちらが負担するのかなどいろいろ検討が必要なこともあります。
2018年05月17日
面貸しと完全歩合給
美容室で働く美容師さん。はさみを操るカリスマ美容師なんてかっこいいですね。美容室業界には業界特有のルールがあって、その一つが「面貸し」。今日は、弁護士法人愛知総合法律事務所の社会保険労務士の原田聡です。
「面貸し」とは美容室の運営形態の一つで、美容師は美容室のオーナーと業務委託契約を結び、美容室の場所や設備を借りて、売上げの一部を美容室のオーナーに渡すこと制度のことで、簡単に言えば、美容師はオーナーから場所等を借りて営業し、自分の売上げの一部を美容室の費用として支払うというもの。売上げを上げれば上がるほどもうかる一方、売上げがなければ当然お金はなしです。
歩合給制の給料体系の場合、自分の売上額に応じて給料を計算していきますが、これには「出来高払制の保障給」というルールがあります。
それは、出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならないというもので、売上げがなければ給料はないといった「完全歩合給制」はダメということです。
面貸しの美容師さんは完全歩合給で、これはいいのだろうかと思ってみると、面貸しの美容師さんは、労働者ではなく個人事業主だから「面貸し」はOK。
とはいえ、美容室のオーナーと美容師との間で発生しそうなトラブルを未然に防ぐためのもしっかりとした業務委託契約を締結することは必要ですね。
例えば、業務委託契約を中途で解約することができるのか、その場合違約金の発生や損害賠償問題はどうなるのかなど。
暑くなる前にさっぱりしたいと思う今日この頃です。
ブログ執筆者:社会保険労務士 原田聡
2018年05月10日
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