弁護士/司法書士/社会保険労務士BLOG

2017年5月

うつ病と基本手当(失業手当)

うつ病等で休職中の従業員、症状が回復して復職される方もいれば、退職をされる方も見えます。弁護士法人愛知総合法律事務所の社会保険労務士の原田聡です。今回は、「うつ病と基本手当(失業手当)」について。
会社を退職された場合、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6ヶ月以上ある等条件を満たせば、公共職業安定所において「基本手当(失業手当)」の手続きを取り、給付を受けることが可能です。この基本手当を受けるための条件の1つに、一般被保険者が離職し、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず職業に就くことができない状態にあることが必要です。
では、うつ病で退職した場合、基本手当の受給はできるのでしょうか?基本手当は働くことができない状態だと受けることができませんが、現在の仕事は続けていくことはできないけれど、別の軽度な仕事であれば労働できる場合もあります。その場合であれば、うつ病で退職したとしても、基本手当を受けることが可能です。うつ病等での退職であれば、特定受給資格者として、3ヶ月間の給付制限を受けずに、基本手当の受給が可能です。この場合、離職票の申請の際に、医師の診断書を添付することになります。医師の診断書で、退職日においては現在の仕事を続けることができないが、退職日以降の基本手当を申請する段階になって労務することができることが明記されていれば良いです。
また、求職活動中に病気等により、求職活動ができなくなった場合には「傷病手当」の申請が可能で、基本手当日額に相当する額が所定給付日数の範囲内で支給されます。
その他にも、1年間の受給期間中に病気やケガなどやむを得ない理由により求職活動や就職ができなくなった場合は、定められた期間内に所定の手続きを行うことで受給期間を延長の手続きを取ることができます。職業安定所で「受給期間延長申請書」を入手し、受給延長理由を証明できる書類を添付します。
困りごとがございましたらご相談ください。


2017年05月26日

仮眠時間と労働時間

宿直の仮眠は労働時間にあたるとした報道がありました。弁護士法人愛知総合法律事務所の社会保険労務士の原田聡です。今回は、「仮眠時間と労働時間」について。労働時間の定義は、使用者の指揮命令下にあって、労働力を提供した時間とされていますが、この時間は、実際に労働者が業務をした時間だけに留まりません。次の業務のための手持時間も労働時間にあたります。今回問題となったのは、警備業務での宿直がとる仮眠時間が労働時間なのかということ。労働時間であれば、仮眠時間に対して賃金が発生します。仮眠時間について争った裁判例はいろいろありますが、ポイントは、その時間が、労働義務から解放されているのかどうかや場所や時間などの拘束の程度がどの程度なのかによって判断していくことになります。 


2017年05月18日
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