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社会保険労務士
派遣労働
出産で退職される女性正社員・パート労働者の数は年間20万人で、それによる経済的損失は1兆2000億円になるとの民間シンクタンク試算の記事。平成29年度版の名古屋市の財政概要版によると、平成28年度の名古屋市の決算規模は、歳入が1兆720億円だから、それよりも多いってことか。今日は、弁護士法人愛知総合法律事務所の社会保険労務士の原田聡です。
出産しても安心して仕事が続けられる環境が、昨今の人手不足解消の一つになりますが、
育児と仕事の両立の難しさであったり、保活(子供を入園させる保育園探しの活動))がうまくいかなかったり、理由はいろいろあるとはいえ、出産退職をされる女性労働者は多いわけです。会社側としても、育児をする女性労働者のために、勤務時間を調整したり、また、制度を作るだけでなく、育児を支援する会社内の雰囲気作りなどやれることはありますよね。
さて、人手不足解消のための手段の一つとして「派遣労働」の活用。
現在、特定労働者派遣事業は廃止され、労働者派遣事業は許可制に統一されています。特定労働者派遣事業については、経過措置により、平成30年9月29日まで事業継続できる状態ですが、今回はこの「派遣労働」について。
派遣労働者は、派遣元で雇用契約を結び、派遣先で労働をするわけですが、仕事でケガをしたり、派遣先でパワハラ行為を受けることもあるかもしれません。派遣先で労働する派遣労働者も派遣先の従業員と同じように労災保険の適用を受けることができますが、派遣労働者が労災保険を使うとき、派遣労働者は派遣元の労災保険を使うことになります。仕事中でのケガ等であれば、健康保険ではなく労災保険を使うことになりますので、派遣労働者は派遣元に連絡をして、派遣元で労災の手続きをしてもらうことになります。労災事故で死亡・休業発生のとき、労働基準監督署に対して、労働者死傷病報告を提出しますが、これは、派遣元だけでなく、派遣先も提出する必要があります。
また、派遣労働者が、派遣先でパワハラを受けている場合などの苦情については、まずは派遣元の責任者に連絡をして、派遣先の責任者と連携して対処してもらうことから始めればいいと思います。
2018年08月22日
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